古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele im alten Rom / 帝国 Imperium

©Reiner Knizia, 2002
This is an excerpt from "Neue Spiele im alten Rom - Japanese Edition (ISBN4-9901416-0-1)" published by us (Late Toccobushi Game Club / SAWADA Taiju) under the license of Dr. Reiner Knizia.

2-5人用/10分

西暦100年、トラヤヌス帝のもとローマ帝国の拡大は最高潮に達しました。帝国はブリタニアからエジプト、スペインからメソポタミアにまで及びました。ローマはその隆盛を極めていたのです。

「帝国」は、ローマ帝国の成り立ちをもう一度我々に見せてくれます。ラウンドごとに、プレイヤーは帝国の各地域にマーカーを配分していきます。毎ラウンド一地域の支配権が決定されます。長期間の発展をなおざりにすることなく、正しい時期に最大の影響力を発揮することが肝要です。

用具

ゲーム盤に加えて、各プレイヤーにそれぞれ一色ずつ、1から9の数字カードと二枚の旗印カード、ポーン一つとチップ14枚が必要です。チップは色が塗られた裏側をマーカーとして使用し、金銭的な役割は持ちません。

準備

ゲーム盤を広げます。ゲーム盤には九つの地域に分けられたローマ帝国が示されていて、各地域には1から9までの番号が割り振られています。また、0から30までの数字が振られた得点表もあります。

プレイヤーはそれぞれ自分のポーンを得点トラック上の0の場所に置き、各自のマーカー14枚を手元に置きます。全員、自分の色の1から9までの数字カード及び旗印カード二枚によって構成される手札を受け取ります。これでゲームを始められます。

ゲームの流れ

ゲームは八ラウンドに渡って行われます。各ラウンドはそれぞれ三つに区切られます。

最初に、各プレイヤーがそれぞれ三つの地域を選びます。続いて、選んだ地域それぞれにマーカーを置きます。最後に、一地域の支配権が解決され、それに従って得点が分配されます。

プレイヤーの得点は得点表に示されます。終了時点で最も多くの得点を獲得していたプレイヤーがゲームに勝利します。

1. カード選択

各ラウンドの開始時に、全プレイヤーは一斉に三つずつ地域を選びます。一人のプレイヤーが一ラウンドに同じ地域を二度以上選ぶこともできます。

地域の選択は、それぞれのプレイヤーが、選んだ地域に対応する数字の書かれたカードを取り、各自の前に伏せて出すことで行います。

同一ラウンドに一つのエリアを三回選びたいというプレイヤーは、対応する地域のカードと一緒に旗印カード二枚を出す必要があります。あるひとつの地域を一回と別のもうひとつの地域を二回選びたいというプレイヤーは、旗印カードを一枚、どちらの地域に用いるのか明解に示せるような形で、使用する必要があります。

全員が過不足無く三枚ずつカードを出したら、カードを一斉に公開します。

2. マーカーの配置

全員が出した三枚のカードを開いたら、対応する地域に各自のマーカーを置きます。プレイヤーはそれぞれ順番に、自分のマーカーを三つ取って選んだ地域に置きます。全員が状況を把握できるように、マーカーを置くときにそれぞれの数字を宣言してください。マーカーが足りなくなったプレイヤーは、選んだ地域に全てにはマーカーを置けなくなります。後になってマーカーを余計に手に入れたとしても、置き損ねた地域に埋め合わせを行うことはできません。

3.一地域の解決

全プレイヤーがマーカーを盤上に置いたら、ラウンド数に対応する地域の支配権が解決されます。つまり、第一ラウンドの終了時には第1地域が解決され、第二ラウンド終了時には第2地域が、となっていきます。但し、第8地域と第9地域は両方とも最終(第八)ラウンドに解決します。

解決する地域に置かれたマーカーの数を数えます。最も多くマーカーを置いていたプレイヤーが、地域の番号と同じだけの得点を獲得します。このプレイヤーのポーンを相当数進めて得点を表示してください。二番目に多い数のマーカーを当の地域に置いていたプレイヤーは、この地域に書かれた二番目の数字と同じだけの得点を獲得し、三番目のプレイヤーは三番目の数字と同じ得点、以下同様に処理します。

地域に書かれた数字に対応した得点を全て授与し終わってしまったら、残りのプレイヤーは得点無しということになります。ここで重要な決まりがあります。地域の解決時に、最弱のプレイヤーには得点が全く与えられません。地域内に全てのプレイヤーが存在していた場合は、マーカーの数が最も少ないプレイヤーが最弱です。一方、地域内に存在していないプレイヤーがいた場合は、そのプレイヤーが最弱となります。

同点の場合、同じ数のマーカーを置いていたプレイヤーが二人の場合は、双方が一段下の数字を得点します。とりわけ、弱いプレイヤーの間で同点が発生した場合は、両方とも一点も貰えないという事になってしまいます。

三人以上が同点になった場合、そのグループ内で属しうる最も低い順位の得点を受け取ります。

地域が解決されたら、全てのプレイヤーはその解決された地域から自分のマーカーを取り戻します。これでラウンドは終了となります。各自が出したカードは全て手札に戻します。そして次のラウンドが始まります。

ゲーム終了と勝利条件

八ラウンドを行い、全ての地域の解決が行われたら、終了となります。得点表のポーンを最も先まで進めたプレイヤーがゲームに勝利し、ローマ皇帝となります。

30点ゲーム

ふつう、ゲームの勝者の得点は30点をだいぶ下回ります。変形ルールとして、誰かが最初に30点を獲得し勝利するまで、ゲームを続けるようにすることも可能です。

この場合、ゲームは八ラウンド以上続くことになります。従って、第八ラウンドでは第8地域のみ考慮し、そのあと第九ラウンドで第9地域の得点が与えられます。それが終わったら、また一から繰り返します。但し、第十ラウンドでは第1地域と第2地域を両方解決します。第十一ラウンドでは第3地域を、第十二ラウンドでは第4地域を、以下同様に解決していきます。

こうなると、第七、第八、第九ラウンドでは、支配権獲得のために小さい地域を再び考慮に入れることになります。しぜん、中くらいの地域がすぐその後に魅力的になってきます。しかるに、ここで新たなリスクと緊張感がプレイヤーに突きつけられます。ゲームが終わるのはいつなのでしょうか、そして得点処理がなされないまま残ってしまうのはどの地域なのでしょうか?