古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele im alten Rom / 近衛兵 Die Praetorianer

©Reiner Knizia, 2002
This is an excerpt from "Neue Spiele im alten Rom - Japanese Edition (ISBN4-9901416-0-1)" published by us (Late Toccobushi Game Club / SAWADA Taiju) under the license of Dr. Reiner Knizia.

2-4人用/10分

ある時、皇帝個人の護衛のため、近衛兵が組織されました。政治の中心に近い近衛兵は、政治事件において重要な要因となりました。とりわけ危機の時代においては、近衛兵は皇帝の打倒および擁立に関して、決定的な役割を果たしました。3世紀の動乱において、ローマは28人の軍人皇帝を見ることになりましたが、そのうち自然死を迎えたのはわずか一人でした。

このゲームでは、軍人皇帝時代における権力闘争を扱います。カードは対立する二陣営の影響力ある近衛兵および指揮官を表します。プレイヤーは何枚かカードを引きます。目的は、可能な限り多くの組み合わせを集めて、時機を逸することなく軍団を支配することです。力に飢えたプレイヤーが拡大に走りすぎ、二陣営の間に入り込んでしまうと、影響力は瞬時に消えてしまうでしょう。新たな皇帝になるのは誰でしょうか?

用具

ゲーム盤に加えて、五色それぞれ1から10の数字カードを使用します。また、赤、紫、青、緑の旗印カードも一枚ずつ必要です。さらに、各プレイヤーそれぞれに一つずつ色つきのポーンが必要になります。

準備

ゲーム盤を各プレイヤーの間に広げます。0から99まで数字が打たれたマスが示されています。手番の順を決めてください。最初のプレイヤーは自分のポーンを0のマスに、二人目は3に、三人目は6に、四人目は9のマスに置きます。これが近衛兵の支持を巡る争いにおける、各プレイヤーの開始位置になります。次の皇帝になるためには、九十九番目のマスに到達しなければいけません。

全ての数字カードをシャッフルし、ゲーム盤の側に裏を向けて撒き散らします。赤と紫のカードが一陣営に属し、青と緑のカードがもう片方の陣営を組んでいます。黄色のカードは中立です。

対立する両陣営に属する色の組み合わせがすぐ思い出せるように、赤と紫の旗印カードを盤の一端に置き、青と緑の旗印カードを反対の端に置きます。旗印カードは他には意味を持ちません。

ゲームの流れ

手番を順繰りに進めていきます。手番のプレイヤーはカードを一枚一枚めくっていき、自分の前に表にして置きます。

一つの陣営および中立のカードのみをめくっている限りは、手番プレイヤーは好きなときに自分の手番を終えて、めくったカードの価値を確保することができます。あるいは続行してさらにカードをめくっても構いません。

両方の陣営のカードをめくってしまったら、両陣営の板挟みになり、手ぶらで去る羽目になります。

手番ごとの得点計算

プレイヤーは手番を終えた時に、一つの陣営および(あるいは)中立のカードだけを持っているのであれば、めくったカードの数字を全て足し合わせ、その数字だけ自分のポーンを進めます。この場合プレイヤーは近衛兵と指揮官を何人か、首尾良く説得して自分の側に引き入れたことになります。

両方の陣営のカードをめくってしまった瞬間に、プレイヤーは近衛兵の対立の渦中に立たされてしまい、影響力を失います。手番は即座に終了してしまい、ポーンを進めることはできません。

いずれの場合も、めくったカードは脇に退け、裏にして、捨て札の山にします。そして、次のプレイヤーが自らの運を試す番になります。

特別得点

既にめくられたものと値が一致するカードを、同じ手番中にめくった場合、直ちにそのカードの値だけ自分の駒を進めることができます。カードの陣営は考慮しません。この得点は、手番がどのような形で終了するかに関らず受け取れます。値の一致した二枚のうち後にめくったほうのカードは、即座に捨て札にします。その後、手番を通常通りに続行します。

ゲームの終了

誰か一人が99点目のマスに到達あるいは通過したら、その時点でゲームは終了します。このプレイヤーが勝利し、新しいローマ皇帝になります。

ゲームが終わるより前に全てのカードをめくってしまった場合、捨て札をシャッフルしてもう一度まき散らし、ゲームを続行します。

12マス後退

12を五枚入れることによって、ゲームに別種のひねりを加えることができます。12は全て中立のカードです。12をめくったプレイヤーは、これを自分で持っておくことはできず、その代わり、これを直ちに他のプレイヤーに渡さなければいけません。渡されたプレイヤーは自分のポーンを12マス戻します。その後で、12のカードは捨て札になります。