古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele im alten Rom / 商人 Mercator

©Reiner Knizia, 2002
This is an excerpt from "Neue Spiele im alten Rom - Japanese Edition (ISBN4-9901416-0-1)" published by us (Late Toccobushi Game Club / SAWADA Taiju) under the license of Dr. Reiner Knizia.

3〜7人用/20分

帝政初期に、ローマの貿易は絶頂期を迎えました。様々な商品をローマに供するため、貨物船が地中海の貿易港の間を疾走しました。

「商人」において、プレイヤーはそれぞれ商船の船長に扮します。商品を船に積み込むために、全ての船がとある港で一堂に会したのです。カードはシャッフルして、商品を表すのに使います。毎ラウンド、いくつかの商品が売りに出されます。それぞれのプレイヤーは最高の商品を最も有利な価格で手に入れようと試みます。最大の収益は、最も値打ちのある貨物を本国へ持ち帰った船の得るところとなります。

用具

ゲーム盤は必須ではありません。ですが0から59までの数字が打たれたゲーム盤を使えば、うつろいゆく状況の概観を得やすくなるでしょう。「近衛兵」のゲーム盤上部がこの目的に適しています。

加えて五色それぞれ1〜10のカードが必要です。カードは商品を表します(カードに描かれた人間が商品だと勘違いしないようにしてください)。また、各プレイヤーにはそれぞれ異なった色のポーンが一つずつ必要になります。最後に、チップも使用します。

準備

ゲーム盤を広げます。全てのプレイヤーは自分のポーンをゲーム盤の隅の0のマスに置きます。各プレイヤーは初期資本金としてチップを50点分ずつ受け取りますが、ゲーム中自分の資金の量は隠しておきます。誰から始めるか決めます。

50枚のカード全てをシャッフルします。ですがこのうち使うのは一部のカードだけで、その枚数はゲーム人数によって決まります。次の表に、ゲーム開始時に山札としてゲーム盤の脇に伏せて積むカードの枚数が示されています。残りのカードは全てゲームから取り除きます。

プレイヤー:3/4/5/6/7
カード枚数:24/32/40/45/50

ゲームの流れ

各プレイヤーは時計回りに手番を行っていきます。手番のプレイヤーは最初に山札から一枚めくります。もし望むなら二枚目を、更には三枚目でも、めくることができます。めくったカードは現時点で市場に出ている商品であり、ここでこれらのカードは一組になって競りにかけられます。めくられた全てのカードは一緒に競られます。ひとまとまりのうち一部だけを買うということは不可能です。競りが終わったら、次のプレイヤーが次の組をめくって、この手順を繰り返します。

カードの競り

それぞれのプレイヤーは、売りに出された商品に対してどれだけの値を付けるか決め、決めただけのチップを拳に握ります。拳の中に何も入れなくても構いません。

全員の準備ができたら、全てのプレイヤーは拳を同時に開き、各自の競り値を宣言します。最も高い競り値を付けたプレイヤーが、競りの対象であるめくられたカードを受け取り、競り値相当のチップを銀行に支払います。カードを表にして自分の前に広げることにより、商品を自分の船に積み込んだことを示します。最後に、カードの値を合計して、値のぶんだけ自分のポーンを前進させます。

二人以上のプレイヤーが同じ価格で最高値を付けていた場合、手番プレイヤーの左から時計回りに優先権があります。カードをめくったプレイヤーは末席として扱われ、このような状況では常に負けます。

全てのプレイヤーが拳に何も握らないことを選んだ場合、これは明らかに誰もその商品に興味を持っていないということです。カードは裏返され、ゲームから取り除かれます。

船の積載量

ゲームの中で、プレイヤーはたくさんのカードを集め、船にはそれらの商品が積載されるでしょう。ポーンは商品を集めるたびに、積荷の合計価値を常に示しながら、ゲーム盤上を先へと進みます。これはゲーム進行の良い目安になります。

船には商品六品ぶんの積載量があります。誰も六枚をこえてカードを所有することはできません。いったん取得した商品を返却することはできません。競りに出ている一揃いの商品を獲得すると上限を超えてしまうというプレイヤーは、その競りには参加できません。

カードをめくるときは、少なくとも誰か一人が競りに参加できるような枚数しかめくれません。

六枚のカードで船が満杯になったプレイヤーは、そこから先のゲームには参加できません。新たな商品をめくることも、競りに加わることもできなくなります。

競りの終了

一人を除く全プレイヤーの船が満杯になったら、残った一人は必ず、自分の船を満杯にするだけのカードを山札から引いていき、これを無料で獲得します。新たに引いてきた商品のいずれについても、これを拒否することはできません。これで競りは終了となります。

まだ何人かの船が満杯になっていないという場合でも、山札が尽きたら競りはやはり終わりになります。この状況に対処するために、プレイヤーは山札の残り枚数を数えることができます。

貨物の売却

競り終了時において、ゲーム盤上のポーンの位置は、各船の貨物の最終的な価値を示しています。最も価値ある船荷を持ったプレイヤーは、ローマで自分の商品を売却してチップを一番多く受け取ります。二番目のプレイヤーはそれより少ないチップを受け取り、以下同様に続いていきます。下の表に、支払われる額の詳細があります。貨物の価値はプレイヤーの人数によって変わることに注意してください。

同点の場合は、チップを足し合わせて、同点になっているプレイヤー全員で等分します。

プレイヤー人数/3/4/5/6/7
1位/30/30/40/50/60
2位/15/20/30/40/50
3位/- /10/20/30/40
4位/- /- /10/20/30
5位/- /- /- /10/20
6位/- /- /- /- /10

ゲームの終了

全ての貨物を売却したら、ゲームは終了します。最も裕福な商人の勝利となります。

シリーズ

何ゲームか連続して行い、ゲームごとにチップを全部合計していくということもできます。終了時に最も裕福だったプレイヤーの勝利となります。

色ボーナス

同意の上で、六枚のカードの中に五色全てが含まれていた場合、積んだ船荷の価値は十点だけ追加されるとしても構いません。消費者は幅広い商品を扱う商人を好むものです。

公開競り

特にプレイヤー人数の多い場合は、声で値付けを行う競りにするのもよいでしょう。「他にいらっしゃいませんか、他にいらっしゃいませんか」というように。最高値を宣言したプレイヤーが品物を受け取るのです。こうすると全く異なったゲームになります。趣が異なりますので、好みのルールを選んでください。