エッセンまで1マイル

2000年か2001年に書いたエントリ。2010年の事情に合わせて若干の追記を行ってます。


欧州はドイツなる国にですね、エッセン(Essen)とゆう名前のついた都市があるのです。あまり日本人になじみのある都市とはいえませんが、ジャパニーズビジネスマンが多数生息するらしい都市デュッセルドルフから目と鼻の先で、電車でおよそ三十分くらい。大聖堂がある都市ケルンとか旧西ドイツの首都だった都市ボンとかからもふつーの電車で充分行ける範囲、特急ならやっぱり十分単位で着く感じでしょうか。人口は六十万以上と、ドイツでは十指に入る大都市ですが、あくまでそれはエッセン市という行政区分に住む人の合計であり、その広い行政区分のなかに小さな町が点々とあちこち散らばっているというのが実像で、行ってみると大都市という感じはまったく受けません。

それで。なぜにエッセンなどという都市名を唐突に文頭から紹介しているのかといいますと、ここには大きいメッセがありまして。東京周辺だと、東京ビッグサイトとか幕張メッセとかそういうやつ。ただメッセがあるだけならドイツにもベルリンとかフランクフルトとかいくらでもありますが、エッセンのメッセでは年に一度、十月の中旬か下旬かに、ボードゲームのショウが開かれるのです。でこの文章は、とにかくこのエッセン・ボードゲームショウに行ってもらおうという趣旨のもとに執筆されたいわゆるハウツーものまがいの記事なのでした。読んでる人がゲームショウなんてものに行きたいのか行きたくないのか、そもそも読んでる人はボードゲームが好きなのかどうか、一切無視。「機会があればまあ別に行ってもよい」くらいの仮定を勝手に置いて、話を進めさせていただきます。


Internationale Spieltage

というのが確かそのエッセン・ボードゲームショウの正式なタイトルだったはずです。「国際ゲームの日」とでも訳せましょうか。最初に述べたとおり、開催は年に一度、十月中旬または下旬、木曜に始まり日曜に終わる計四日間。ボードゲームファンのどちらかといえばささやかな催しとしてスタートしたようです。

現在どうなっているかというと、欧州の主なゲームメーカー(と結構な数の米国系メーカー)がほぼすべて出展、そういう大メーカーに混じってインディペンデント系ボードゲームメーカーとか同人でゲームを作っている人とかも出展、さらに卓上RPGの出版社やコレクタブルカードゲームのメーカーも数多く出展、一部のコンピュータゲームメーカーも出展、そしてなぜだか主催者側の都合によりこのボードゲームショウは漫画の見本市も兼ねているため漫画の出版社とかも多数出展、まったく理由は不明ながら遊園地の子供向けアトラクションを作っている会社も出展と、なんだかよくわからないほど大規模な催しになっております。四日間の合計入場者数はおおよそ述べ十五万人。とにかく一般向けのゲーム関連イベントとしては世界最大級の規模を誇るイベントであるということです。

そいで、そこで何をしているのかといいますと、基本的には新作ゲームをすばやく買ったり手に入りづらい古いゲームを中古で買ったり、ここ以外では売ってないんじゃないかというような同人ゲームを買ったり。そのほか、著名ゲームデザイナーのサインを貰ったりお話したり、ゲームメーカー提供のテーブルを使ってゲームメーカー提供のボードゲームとかRPGとかを遊んだり。あとコレクタブルカードゲームの人はトレーディングとか。あとぜんぜん関係のなさそうな手品のイベントとかクイズのイベントとか。とりあえず「ゲーム」で「イベント」というところから想像できるようなことはあらかた行われてます。お子様には先ほども申しましたとおり飛び跳ねたりぐるぐる周ったりとかそういうライドなどもございます。


旅の準備

そしてこの文章の問題点は最初に書いたとおり、「このイベントに行きたいでしょう」というような勧誘を放棄し、読者の人がこのSpieltageに行きたくなったことにしてそこから話を始めてしまうところなので、もう「旅の準備」という項目に移るのです。

とにかくこのショウに参加しようということになりました。とすると当然、ショウの開催される正確な日付を知らないといけません。これはどこに書いてあるかといいますと、

http://www.essen.de/

  • English
    • TRADE FAIRS
      • TRADE FAIR SCHEDULE

に出ています。つまるところエッセン市ウェブサイト英語版から「トレード・フェア」の項目に飛び、さらに「トレード・フェア・スケジュール」の項目に飛んでいただきますと出てます。変更される可能性がありますが、現時点では具体的なURLは
http://www.essen.de/english/fair/calendar.html
となっております。このサイトは幸いにもドイツ語でなく英語で記述されています。別に英語が読めなくても日程のチェックだけだから大した問題はないと思いますが。

ここ以外にも、エッセン市メッセのウェブサイト
http://www.messe-essen.de/
でも日程を確認できます。

(2000年には上記のように書いていたんですが、今だとEssen市サイトから行くよりmesse-essen.deから行くべき...というよりGoogleで"Essen spiel"検索すれば普通にEssen Spielの公式サイト出てきますね。http://www.internationalespieltage.de/ 英語版もあります)


宿

お次はお宿の確保。通常は欧州を旅行する場合など、現地に着いてからツーリストインフォメーションで適当なホテルを紹介/予約してもらったり、適当なホテルに飛び込んでみて部屋が空いているか聞いてみる、などの手法でまったく問題ないのでしょうが、なにせ相手はメッセ都市。ゲームショウだけでも述べ十五万人の人間が押し寄せてきてもちろんそのうち結構な割合の人間がよそからやってきてホテル滞在な上に、ゲームショウ以外にもビジネス関連の見本市とかをやっていてビジネスマンが大挙してホテル滞在などということだって有り得るわけです。というか現にそうなってる模様。さらには近くにあるデュッセルドルフとかもやっぱりメッセ都市だったりするので、少なくとも現地に行ってからではわりと何とかならないことも充分あるくらいには考えておいたほうがよさそうです。

ということでホテルの予約をしましょう。 ISIZE-TRAVEL や YAHOO!JAPAN-TRAVEL で予約が取れます。ただし、こういったサイトで予約できるのは、シングル一泊八千円クラス以上のホテルのみ。もっと安いのホテルを希望する場合はどうするか。そういう時はエッセン観光局に予約を任せてしまいましょう。先ほどのサイトに「ホテル予約コーナー」というものがありまして、ここのメールフォームに希望用件をたたっと書けば予約がとれます。英語で文を書くことに苦痛を覚えない方はどうぞ。といってもたいした文が必要なわけじゃないですけど。

http://www.essen.de/

で、ホテル予約依頼の入力フォームが出ます。希望条件を書けば、それに見合ったホテルを向こうが勝手にみつくろって予約してくれるみたいです。(←実際には使っていないので使用レポートは書けませんごめんなさい)。

エッセン・メッセには、デュッセルドルフ中心部とかからでも一時間かそこらあれば問題無くたどり着けますので、デュッセルドルフとかデュイスブルグとかボーフムとかその辺の、エッセンに近い街の宿を取るのも良いでしょう。ボーフムとかだったら予約なし直接でももしかしたらいけるかもしれませんが。

現地でホテルを探そうとするのがどれくらい無謀かについて示すために、ISIZE-TRAVELから検索をかけて出てくるエッセンののホテルについて、空き部屋確認をしてみました。
開催11ヶ月前/検索結果11件中空き部屋あり5件
開催5ヶ月前/空き部屋あり4件
開催1ヶ月前/空き部屋あり3件
開催1週間前/空き部屋あり1件
最後の一件はどこかというとシェラトンで、しかも残っているのはツインベッドルームとかそんなんでした。一泊二万円也。安くてメッセに近いホテルから順に埋まっていくみたい。(あの町にシェラトンなんかあったかなあ?)

ユースホステルという選択肢もあります(ユースったって別に御老人でも泊まれるんですけどね)。大量にゲームを購入する場合、個人的なスペースがない複数人部屋というのはけっこう不便ですが、宿泊費は安いので他人の存在が別に気にならない人はいいかもしれません。エッセン(正確にはエッセン−ヴァルデン)、デュッセルドルフ、共にユースホステルが存在します。デュッセルドルフのユースは IBN というネットワーク式ブッキングシステムを採用しているので、ユースホステルの窓口で日本から直接予約ができます。ただし泊まる日付の半年より前の時点で予約を入れることはできません。
ところでエッセンのユースはこのシステムを採用していないので、この方法はとれないわけです。予約を取りたい場合は手紙とかファクシミリとかを出します。

ドイツのユースホステル協会ウエブサイトは http://www.djh.de/ 。エッセン−ヴァルデン・ユースホステルのコーナーは
http://www.djh.de/

  • Jugendherbergen
    • Rheinland
      • Essen-Warden

ここでホステルの住所なり電話番号なりが閲覧できます。ドイツ語で。ドイツ語ができない人々は残念ながら、精度の悪い翻訳ソフトに頼るしかありません。翻訳のためのインターネットリソースhttp://www.kotoba.ne.jp/などで適当な翻訳サービスを探しましょう。

補足(2002年2月):なんか英語のも一応用意された模様。ともあれ直接リンクは以下の通りです。
http://www.djh.de/02_jh/JHData.asp?ID_JH=443 (独語)
http://www.djh.de/international/02_jh/JHData_e.asp?ID_JH=443 (英語)
http://www.djh.de/jugendherbergen/essen/ (独語)

このサイトには各ホステル別の空きベッドの有無を確認できるメールフォームが付いていまして、
http://www.djh.de/

  • Rheinland
    • Freie Platze

で、空きベッド確認メール発信フォームが出るので、行きたいユースホステルのところに、泊まりたい日付と人数を入れ、自分の名前/住所/eMail を添えて "Absenden"ボタン。そうするとだいたい三日ほどで、返事が返ってきます。ただしこのサービスはあくまで空きベッド確認だけなので、実際に予約を行うには、前に書いたとおり直接に手紙電話ファクシミリなどの手段によりコンタクトをとる必要があります。

あ、ご存知のかたもたくさんいらっしゃると思いますが、ユースホステルに泊まるにはユースホステル会員証というのが必要です。これを取るにはそういう事務所でお金(二千五百円)を払わないといけません。そのへん事務所の場所とかも含め詳しくは日本ユースホステル協会のページ
http://www.jyh.or.jp/
を参照してください。この会員証がどう見ても日本ドメスティックなものにしか見えないのでちょっと不安になりますが、ちゃんと海外でも通用します。事務所で「ユースホステル予約取り専用はがき」とか売ってますのでこれをあわせて買って使ってもいいかもしれません(いまいち使い勝手がよろしくなかったので、積極的にはお勧めしません)。

(これも時代がかってますねー。今だと普通にBooking.comとかVenereとかでいいと思います。ただホテル予約が結構シビアなのはあんまり当時とかわってません)


結局私はこのEssen-Werdenのユースホステルを使用したので、軽くレポートなど。行き方は、後述するエッセン中央駅からS-Bahnの一路線 S6で数駅、Essen-Werden駅で降り、そこから190番線のバス、Ruhrlandklinik方面行き(またこのバスが本数少ない)に乗って山の方向に分け入っていき、Jugendherberge(ユースホステル駅)で下車。あとはそこから矢印にしたがって歩いていけば着きます。歩きだと Essen-Werden駅から一時間弱といったところでしょうか。何というか日本だろうとドイツだろうと山の中は山の中、というような、避暑地然とした雰囲気に満ち溢れたところです。Essen-Werdenじたいがそういう雰囲気の、緑と川に支えられて空気が淀んでいるような町なのですけれど。それでチェックイン(夜8時だか夜9時だかまでチェックイン可能)しようと予約はがきを出しますと、やはり半年以上前の予約なんて誰も覚えていなかったようで大変先方慌てます。それでも結局泊まれたところから考えるに、予約なしで行っても問題ないのかも。

客はともかくフロントは英語まったく問題無し。朝食はつきますが昼と夜はなく、またホステル内にはスナックや炭酸水やコーラの自販機しかなく、さらに周りにも食堂はほとんどない(なんといっても山の中)ようなので、夕食は済ませてからホステルに戻ることをお勧めいたします。あと期間中ゲームを大量に買い込んで帰ると、コレクタブルカードゲームのバインダーを抱えたルームメートからドイツ語(たぶん)で、何を言っているのか不明ながら状況から言って「おまえもメッセ帰り?」としか考えられない台詞を投げかけられることが希にありますが、とにかくドイツ語がわからなくてもうろたえないようにしましょう。気になるお値段ですが4泊で合計100DM強でした。


ガイドブック

そもそもショウに参加したいだけの人ならガイドブックなんか要らないような気もしますが、それでも欲しいという人もいるかもしれません。とはいえエッセン情報が載っているガイドブックなどそうそうあるものではなく、私の探した限りでは、日本語のガイドブックでは唯一、実業之日本社刊「ミシュラン(グリーンガイド)」に、まともな量の情報が載っていたくらいのものです(それでも2ページとかそんなもの)。英語ガイドブックも含めても、おそらくエッセンに関しては一番詳しいガイドブックでしょう。高いけど(三千円くらい)。このミシュラン緑、他の街についても、他のガイドブックでは絶対載っていないような街についても一応押さえてあったりするのがすごい。但しタイヤ会社のガイドブックなので、鉄道情報については皆無に近いのは仕方なし。もちろん道路情報は詳しいので、レンタカーを借りて移動するというのであれば不都合ありませんが。あと、グリーンガイドと対をなす、かの有名なレッドガイドを考えてもらえれば分かるとおり、このガイドブックは旅慣れていない貧乏旅行者などハナから相手にしていないので、そのあたりの情報がほしい場合もちょっとつらいものがあります。

(グリーンガイド日本語版なくなっちゃったんですよねー。2010年現在ならロンリープラネット日本語版一択でしょう)

まあエッセンの情報はその程度であきらめるにしても、ガイドブックというのはあるとちょっと役立つもので、現地での電話のしかたとかトラブル時の電話番号とか郵便の出し方とか、そういうのを持っていると心強いものです。でもそのためだけにガイドブックを持っていくと重いので、図書館とかで本を借りて必要なページだけコピーして持っていくとか、本を買って必要なページ以外は切り取っていくと軽くて便利だと思います(便利でした)。


チケット

次は航空券。割引のない個人用チケットを購入できるような人なら航空会社とかが下へも置かないような扱いで何から何までやってくれるでしょうし、そもそもそういうものについて何か書けといわれても何も知らないので、格安航空券の話になります。

十月中旬から下旬ですと、アジア系航空会社(乗り継ぎ便)なら7万円前後からフランクフルト往復の格安航空券が手に入ります。もっと探せば6万前後のものもあるかもしれません。たぶん大韓航空でしょう。大韓航空がなんで比較的フライトタイムの短さのわりに安いのかは謎ですが、やっぱり墜落率と密接な関係があったりなかったりするんでしょうか。(まったく余計なことですが、飛行機の致死事故率とかが確認できるサイトというのがあります。 http://www.airsafe.com/[英語]。こういうものを見てしまうと、あの飛行機会社とこの飛行機会社には乗りたくなくなったり)

遠回りがしんどかったりする人はヨーロッパ系航空会社の直行便ということに。直行便といってもヨーロッパまで直行ってだけで、ルフトハンザ以外の会社だったら結局ドイツ入りまで2フライト必要。ルフトハンザを使っても、目的地空港がフランクフルト以外の都市(エッセンに最寄りの空港はデュッセルドルフ)だったら2フライトかかります。それでも2フライトでフランクフルトまでしかいかないアジア系よりは、2フライトでほぼ目的地と言っていいデュッセルドルフまでいけるというのはだいぶ楽です。おねだん8万強から。

(チケット代自体は2010年現在でもこんなもんか、あるいはもう少し下がってるくらいなんですが、問題は燃料サーチャージがかかることで、トータルだと現在はアジア系で最低7万くらいでしょうか。大韓とかベトナムとか。欧州系ではSASが安くて、トータル9万くらいでした)

ところでヨーロッパ行きの便というのはどういうわけだかほぼ全てが日本を午前に出発するフライトでして、夜出発する便というのは極端に少ない。たとえば成田発の飛行機を見てみますと、エールフランスから21:55発というのがひとつあるだけで、他はせいぜい、アジア系の会社で夜8時というのがあるくらいです。で、このエールフランスのチケットが。高い。詳しくはISIZE TRAVELあたりで見ていただければわかると思いますが、最安が11万円とかそれくらいのオーダーになっております。ナイトフライトで行きたいひとは覚悟しましょうね、と。(でも結局、私はこのエールフランスのナイトフライトを使ったんですが、最終的に九万で購入できました。表示価格では十万四千円だったんですが、キャンセル待ちしてる間に安くなったんでしょうか。いずれにせよ代理店のアドバンストラベル http://www.advancetravel.co.jp/には感謝。)

(2010年、ついに羽田発深夜欧州便が就航になります!)

値段に関する注意ですけど、航空券の本体価格以外に、空港使用料とか出入国税とかそういうのがあわせて五千円くらいかかるので、そのへんも忘れないようにしましょう。

あともう一つ。直前になってチケット押さえようとすると、意外に席が埋まっててキャンセル待ち、なんてことになりかねません。私の場合も、三週間前に連絡を入れたら、帰りの「フランス→日本」という、おおよそドイツとはなんの関係もないところで満席になっていてキャンセル待ちになりました。キャンセル待ちの席がとれるかどうかは、代理店の人の気力によるところが大きいという話を聞いたことがありますが、とりあえずチケットの確保はお早めに、ということで。

格安はやだ。という人は正規個人割引であるところのPEXを使って航空会社から購入したりするんでしょうが、このへんは使う気がなかったのでよくわかりません。たしかルフトハンザの学割PEXが十一万くらいだったと思います。このへんは航空会社のページとか、大手代理店のページとかに出ていることでしょう。適当な検索エンジン/ポータルからどうぞ。

(最近はPEXが最安ってことも多くなってますね)


そのほかの準備

あと行う準備といいますと、荷造りとかパスポートとか両替とかそのへんですが、このあたりは基本的にセオリー通りで問題無いでしょう。荷造りに関しては軽く小さく、とか、トラベラーズチェックは不便なのでクレジットカードを基本にとか(そんなセオリーあったっけ。でもドイツはトラベラーズチェックで直接支払いができないところがほとんどなので、不便なのは本当。エッセンの両替所でユーロのチェックを換金しようとしたら、受け付けの人に「ユーロのチェックって嫌われてるんですよー」と教えられた)。このへんのセオリーについては、地球の歩き方ウェブサイト http://www.arukikata.co.jp/から「旅の準備と手続き」の項目でも見ればよいのではないかと。

特別な準備といいますと、ゲームを大量に買って、その一部を機内運搬で持ってかえりたい場合は、なにか行きの荷物の量にくらべて不釣り合いに大きいバッグを持っていかないといけないということでしょうか。ボードゲームの外箱はやたら大きいので、特別な工夫を講じない限り、重量制限よりも先にバッグ容積の限界が来ます(特別な工夫っていうと、外箱は潰して平面状にして、中身を袋でまとめて別に持っていくとか)。あとハードケースを用意しないと、スポーツバッグとかに詰めるとボードゲーム外箱は確実に破損します(しました)。


ドイツ内の移動

ドイツ内での移動は主に公共移動機関を使うわけですが。ドイツの鉄道はDB(長距離),S-Bahn(中距離),U-Bahn(短距離)三種類ありまして、これに市バスを加えた四種が公共移動機関ということになるわけですが、このうちDBだけが少々特殊で、残りの三種は利用者側にとってみれば乗り場が違うだけで、課金システムとかは全て共通しています。

三種のほうから説明しますと、駅の自動券売機、またはバスの場合は停留所の近くに自動券売機がないときはバスの運転手から直買いで、行き先までの切符もしくは一日券を買います。ホームないしは乗り物の中に備え付けてある自動改札機に切符を入れることで入場時刻スタンプを押し(バスの中で買った切符の場合、まれに改札不要な切符もある。そうゆう切符はどうみても改札機に入らないようなサイズと紙質になってるのですぐわかる)、あとはその切符を目的地までずっと持っている。ということです。電車もバスも料金体系はいっしょなので、乗り換えのときにチケットを買い替える必要はまったくありません。

このシステムだとただ乗りし放題なので、ときどき(希に、ではなく、ときどき)車掌が切符もってるかどうか見回りに来ます。一日券の場合、券が有効な半径によって値段が数種類あります。距離とか自治体とかによりますが一回券は2-4DM、一日券は10DMくらいと考えておけばいいでしょう(2000年11 月現在、おおよそ1DM=50Yen)。この交通システムを使用するときの注意点はいくつかあり、ちゃんとチケットに忘れずにスタンプを押すことと、バスの運転手から直にチケットを買う時のために、行き先の場所の発音は練習しておくこと。また、S-Bahnの時刻表を見るときは、肝心の路線番号(S1とか S3とかあるその数字の部分)がとても小さく印刷されているという事実をあらかじめ了承しておくこと。以上は押さえておかないと後で困ります。

長距離線DBはこれとはだいぶ違うシステムをとっていまして、どういうシステムかといいますと、日本で新幹線の指定席とか買うのと一緒です。窓口で乗車券と座席券を買って、座席券に書いてある席に乗ると、車掌が切符を見にくる。それだけ。あと年齢が若いと乗車券が少し安くなります。窓口の人は英語が通じると思ってかかってまあ大丈夫だと思います。

日本で「ジャーマンレイルパス」が販売されていますが、これは上に挙げたすべての交通機関に一日乗り放題のチケットで、最低4日以上ののパッケージで販売されています。二千年十一月現在で、お値段一万五千円から。

ドイツの公共移動機関については、DBのウェブサイトhttp://www.bahn.de/が便利です。何が便利かというと時刻表の検索が(英語で)できるあたり。トップページからInternational Guestsの項目で飛べます。


エッセン

メッセ・エッセンは、エッセンの中央駅から短距離線U-Bahnのなかの一路線U11というのに乗って数駅です。また、ほかの都市から鉄道でエッセンに着くときの玄関口も、もちろんエッセン中央駅。ということでエッセン中央駅とはどんなところかということですが、一言で申しますと、人でにぎわってはいますし、両替所(英語OK)とか本屋とかカフェとかいろいろありますが、基本的に中央駅にしては小さく、また少々薄汚れた感じの駅です。あと麻薬の販売業者とおぼしきかたもところどころいますね。あまり愉快な気分になるようなところではありません。この駅で時間を潰すなら、駅を出てすぐのマクドナルドとかカフェテリアとかカフェに迷わず突き進んだ方がよいものと思われます。

駅を出ますと町があります。最初に書いた通りエッセンは小さな町の集合体みたいなものですから、中央駅周辺も「小さな町」そのものの、どうもこちらもあまり楽しい気分にはなれなさそうな雰囲気が漂います。駅の向かいのところに立派なツーリストインフォメーションがあります(駅から矢印が出てる)ので、なにか情報がほしいかたはそちらまでどうぞ。英語は一応通じます(かなり怪しい)。

さて駅周辺の散策はいいとして、U11路線です。清潔度に若干の減点要素を抱えるエッセン中央駅ですが、U-Bahn部だけはどういうわけだか別物のよう。まあそれはいいとして、掲示に「U11」と出ているホームで待ち、来た列車に乗ってメッセ・エッセンに行くわけです。いくつか「メッセ」と名のついた駅がありますが、これは単純にメッセ・エッセンが数駅ぶんにまたがる大きさだというだけのことであり、どこで降りてもとりあえずメッセ・エッセンで、正規入り口まで矢印にそって少し歩けばいいだけのことなので、どこで降りるかの心配はしなくてもかまいません(一番便利なのは、たぶんMesse Ost駅)。それにどうせ当日のU11路線は大量の人が乗っているので、エッセン中央駅のU-Bahn部に降りた時点でその大群を探して見つけたらそれにくっついていけば、確実に目的地に到着できます。

(2010年追記:Essen Spielのパスを持っていれば、当日のUバーンは無料で乗れます)


会場

メッセに持っていくものは金と買い物袋。買い物袋は会場内でもいくつかのゲームメーカーで紙袋を配っているので、ないならないでかまいません。クレジットカードは効かないものと思っておいたほうがいいですが、ただメッセ内に両替所があるのでたぶんそこでキャッシングはできるはずです。ともかく会場に着いたらまずは入場チケットを買います。4日通しの券がおよそ40DM。1日券だと10DM強。改札のひとにパンチ穴を開けてもらって中に入ります。いったんメッセの外にでて帰ってこようという場合、外にでるときに改札のひとに「また帰ってきます」と言って、そういう証明を貰わないといけません。

入場チケットを買って中に入っても、会場時間になるまでは入り口ドアの前で待たされます。当たり前か。私は初日のみ開場時間前に行ったのですけど、その時はちゃんと列になって並んでいませんでした。団子のように入り口の前に。団子になってる人数は数百人程度の規模ですので、一番前に陣取って開場を待つとかもやろうと思えばできるんですが、別にこのイベントでは3分程度入場が遅れたところでどうということはないのでそんなことしなくていいと思います。あと優待券を持っている人は開場時間前に中に入れますが、これを開場と勘違いしないようにしましょう。

開場時間になって中に入ったら、早いうちに済ませておくべきことがいくつかあります。
1)中古ゲーム屋で買い物
2)数量限定同人ゲームブースを物色
3)ゲームデザイナー/イラストレイターのサイン会日時をチェック

1)初日にくる人にとっては目玉みたいなものでしょうか。中央入り口からはだいぶ遠い6/8番ホールに行きますと、中古ゲーム屋ブースのコロニーがあり、レアゲームが邪魔そうにごろごろしております。ほとんどのゲームにはプレミアがかかっておらず、ただの中古ゲームという扱いの値段で出ています。基本的には早く行ったほうがいいのですが、会期中も補充が行われていて、初日にはなかったのに三日目になると見つかるゲームとかがあるため、定期的にチェックすると良いでしょう。

2)同人ゲームに関しては、初日の午後三時くらいまでなら、数量が少ないゲームでも売り切れることはまず無いと考えていいと思います。ただ二日目以降になると、あらかじめ予約販売をしているゲームはぽつぽつと無くなっていきますので、あらかじめいろいろなウェブサイトを周るとかして、すばやく購入しておくべきゲームの目星をつけておいたほうがいいかもしれません。

3)これがなかなか大変で、何が大変かというと、当日になって「本日14時よりサイン会」とか、サイン会をやるブースでこっそり張り出されていたりするので油断がならない。自分の同人/インディペンデントレーベルを持っていてブースを出しているデザイナーなら、そのブースに行けば確実にサインを貰えるんですが、そうでなければ、サイン会をやりそうな店とかメーカーとかのブースで、「何時にデザイナー来ます」とかの表示をチェックしないとサイン貰い損ねます(←チェックできずにR.Staupeのサインを貰い損ねた)。あとデザイナーの顔も知っておかないとつらいか。いくつかのサイン会は、ゲーム雑誌の広告とかでメーカーから告知が出ていることがあるので、ゲーム雑誌をすばやく手に入れて調べておくといいかもしれません。ゲーム雑誌(Spielbox, Die Poeppel Revue, Fairplayの三誌。いずれもドイツ語)のブースはいずれも10/11番ホールにあります。
ボードゲームにサインを貰う際の注意としては、外箱ではなく中身のボードにサインしてもらうこと。これ鉄則。なぜなら外箱はすぐボロになるからです。下手をすると日本への運送だけでボロになってしまうかもしれません。

あとはそれなりに英会話/ドイツ語会話ができないとルール説明されてもわからないだとか、複数人で行かないとゲームを実際に遊ぶのはなかなか難しいとか、そのくらいで。あ、メッセ内にはいくつか食事/喫茶のできる場所がありますが、それぞれ値段が異なっていたりしますのでどこがいいか巡ってみるのもいいかも。


買ったゲームを持ち帰る

直接持ってかえるか送るかの二つの手段があり、直接持ってかえるほうについてはすでに触れているので、ここでは「送る」ほうについてということになります。どういうわけだかメッセ内には荷物配送をやっている業者さんがおりません。一応メッセ内を歩いていると郵便局らしきものはみつかるのですが閉まってましたふざけんな。そしてメッセから最寄りの郵便局までは結構な距離を歩かねばならず、やっとのことでたどり着いたはいいものの窓口の人が英語しゃべれず。うわー。そして荷物の梱包に必要な段ボールが在庫切れであることが判明。そこで濡れ鼠のような目で途方にくれていると見かねた客の一人が「今から車で帰るんだけど途中に郵便局あったはずだから一緒に乗る?」と。遠い国で見知らぬ人の心の優しさに触れたはいいもののそこで見つかった郵便局の局員もやっぱり英語わからず。また見ず知らずの客のひとに通訳とかしてもらい。後で聞いたところによるとドイツの郵便は「船便/航空便/航空便エコノミー」の三種類があるらしく、それに荷物が2kg以下の場合は「小包便」というのもあるらしいのですけど、こちらも向こうもそれどころではないのでとにかく住所書いた送料いくら送料二箱で160DM(家につくまでの日数から後で考えたところによると航空便)。高い。

(今はメッセには郵便局ありません。もしかしたら当時もなかったのかも。中央駅前に郵便局あるのでそこまで行きましょう。タクシーなら10ユーロくらい)

というわけでドイツ語ができないと郵便局で困ったことになります。

ドイツ郵便局で扱っている段ボール箱のなかで一番大きいXLサイズを使うと、標準的なボードゲームの外箱(37cm*27cm*5cm)なら3箱入ります。長辺はすこし余りますので、余ったスペースに小さいカードゲームの箱とかを入れることができます。実験で家にあるモノポリーの横に長い箱をいれてみようとしましたが、ぎりぎりで入りませんでした。短辺はまさにジャスト。そして困ったことにラベンズバーガー社のボードゲームだと入りません。Jumboのゲームも入らなそう。どうすればよいのでしょう。私の方が誰かに教えていただきたい。あらかじめツーリストインフォメーションとかでそのあたりのことを聞いておくべきだったかも。私は結局直接持って帰ったのですが。直接なら送料かかんないし。外箱壊れたけど。


日本に帰る

ゲームは特別な関税がかかる物品ではないのでそのへんの記述は適当でOKです。

以上で体験をもとにしたこの偽ハウツー(どうも役にたたないような気がしてならないあたりが特に偽)は終了なのですが、私の場合は最後にパリ・シャルル・ドゴール空港の職員の荷物運送失敗によりロスト・バゲージという落ちがついていました。そして荷物受け取りの半券も紛失。最悪。(注:半券無しでもなんとかなりましたし、最終的に荷物も届きましたので、ロスト・バゲージになってもそれほど心配はしなくて良い模様)

Nothing New...?

1999年か2000年か、それくらいに書いたエントリ。


いいかげんRPGを作るひとたちも同じところを徹底的に掘り返して深く深くって作業に飽きてこないのかなー、てことに関してはParanoiaの紹介ページ(“Paranoia礼賛”)で書いたのですけど、そいではヨーロピアンなボードゲームのほうはどうかというと、どうもこちらの方でも「そろそろ飽きてきちゃったかなー」という感じの空気が流れてきつつあるようです。単体のゲームに関するレビューとか見ても、いちいち"nothing new, but..."とか書かれていたり。この種のボードゲームではむしろsomething newなゲームなんて昔も今もほとんど無くて、で別にそれは悪い事じゃなかったはずなんですけども。Modern Art も Catan も El Grande も、どれも文句の付けようがない名作ですが三つとも言ってしまえば"nothing new"でしょう( El Grande はそうでもないかな?)。

別にゲームの質とか状況が悪くなったわけでもないのに最近のレビュー記事に"nothing new"って言葉があふれているってのは、詰まるところ皆様something newを欲しがっているからだよと。なんでそんなものを急に欲しがりだしたかということになると、たぶんMayfair Games社やRio Grande Games社によって、90年代の欧州ボードゲームアメリカに紹介するって流れがここ数年あって、それが行き通るところにはおおよそ浸透したんで「ネークスト!」ということなのではないかと(規模はずっと小さいながら日本でもメビウス・ゲームズがほぼ同じ役割を担っていますね)。どちらかというとドイツよりはその周りの国でそういう空気が流れているんじゃないか、というのはドイツのゲーム・オブ・ザ・イヤーとか見ても99年Tikal、00年 Torresですから(ただ00年秋のDer Herr der Ringeの異常に高かった前評判を見ると、ドイツでも潜在的/無意識的にはあるのかな、とは思います)。

ともかく。そういう状況で新しさを感じさせるようなゲームが出ると熱狂で迎えられるのは自然の摂理というもので、ここでは99年秋発表の"VINCI"がそれに当てはまります。ヨーロッパの地図をボードにして、周りの国を侵略することにより自軍の勢力拡大をはかるという、アメリカのマルチプレイヤーズゲームでよく見られるテーマのゲームで、こういうテーマを欧州ボードゲーム的な手法で処理したということで高く評価されたようです。

ただ個人的にはVINCIってちょっとどうかなー、と思うところもありまして。というのは私は、アメリカ系デザイン手法の最も優れた特徴は「世界を描く力の強さ」だと考えてまして、これはシミュレーションゲームRPG(の世間一般における評価基準)を見ればある程度納得していただけると思うんですが、 VINCIにはヨーロッパにおける諸民族の争いの歴史を描く気が全くない。これは侵略周りのシステムがゲーム的な洗練(プレイアビリティを第一に、ジレンマの深さを第二に置き、それ以外の要素を切り捨てる)を指向した欧州的なものだというだけの原因ではなくて、ヨーロッパと諸民族の興亡というテーマを、これもアメリカ系デザイン手法のメインストリームである「シンプルなルール+無茶な特殊効果のインフレーション」がぶち壊しているということが大きいのです。ふつう特殊効果はキャラクタを立たせるために持ち出すことが多いのに対して、(VINCIにsomething newが本当にあるとすればここだけだと思うんですけど)VINCIでは一民族あたり二つの特殊効果をランダムに割り当てるという方法で、特殊効果を使って民族を匿名的に表すということをやっています。

世界を描くということに関して、通常と逆ベクトルに特殊効果を用いるとどうなるかというと、もちろん世界の足腰が立たなくなります。わけのわからない特性をもつわけのわからない民族が襲い来てはいつの間にか去っていく。「ジャンル:馬鹿ゲー」です。遊んでみると、この自分が何をやっているのか解らない狂騒と欧州的なシステムとの組み合わせがとても良好でたいへん楽しめるのですが、いくら楽しくてもこのゲームを「アメリカ+ヨーロッパ」なボードゲームの夜明けと見るのは無しでしょう。基本的に欧州系の範囲で処理できるゲームあるいはアメリカ系のパロディと見るべきで、特殊能力群を(プレイアビリティ面から見れば明らかな退化であるにも関わらず)あえて採用しているのは単に騒ぎの演出でしかありません。むろんこのゲーム自体はそれで成功している以上なんの問題もないんですけど。

あるいは新しいものがほしい人々も、“本当に”新しくなければいけないというわけではなく、VINCIに含まれている程度のsomething newがあればそれで構わないということなのかもしれません。じっさいBohnanza, Mamma Mia, Verraeterあたりは、明らかに欧州系のシステムながらある種の新しい仕掛けを用いているゲームですが、どれもきちんとした評価を受けているわけですし。ただそれでは、00年秋もLift OffとかKeytownとか立派にsomething newを持っているゲームが出ているにも関わらず、「もうドイツから新しいゲームは出てこないのかもしれない」というような結構な悲壮感がゲームマニアとかデザイナーとかの間に漂っていることの根拠にはなりません。やはり求められているのは、RPGTCGが出てきたとき、あるいはアメリカが欧州系ゲームを「発見」した時と同じ種類の新しさなのでしょう。そうでなければVINCIに皆してこれほど大きな夢を見ることなどあり得ないのですから。

にしても消費が早すぎるよなー。なんかの病気じゃないのか? こっちはまだ最初の一口にやっとありついたとこなのに。

(といいつつ、“Paranoia礼賛”でも少し書いたけど、本当は僕も「欧州系とウォーシミュレーションを合わせても、それが本当に上手くいっちゃったら新しいものになるというより境目がわからなくなって単なる名作扱いになるんじゃないかなー。やっぱり次に来るのはルールゲーム化したRPGでしょー」とか妄想してて同じ穴の狢だったりします)

Paranoia礼賛 : Paranoia is fun. Other RPGs are not fun.

2003年7月の記事。誰か09年に出たアニバーサリーエディション訳してくんないかしら。


ゲームというのは必ずしも意思決定を伴うものでなくてもかまわない。「ああアクションゲームとかね」と返されると困るので言い換えると、なにか目標があって、そこに到達するために必要なスキルを競う(他人と競うという意味でも、あるいは自分の中でそのスキルの上達を目指すという意味でも)、というものでなくてもかまわない。ならゲームに必要な条件は何かというと、まずルール。あとふつうはルール実現のための物理的実体も要る。そして「プレイヤーが、“自由意思により”、“ゲーム世界への没入を動機として”、“積極的に参加すること”」。札束でひっぱたいたり銃で脅したりしてやらせるなんてものはゲームじゃないし(あくまで設計レベルでの話。あとでそれを仕事にする人が出てきてもそれはそれでかまわない)、見てるだけなら映画と変わらない。没入云々は、要するにゲームは娯楽である、ということだ。

と、以上はWolfgang Kramerの"What is a game?"からの受け売り。Kramerはこの文章の中で、目的達成のためのスキルを競うようなゲームのことを「ルールゲーム」と呼んで、ゲームの中の特別なサブジャンルとして扱っている。

で、実際に売られているようなゲームはルールゲームなのかそうでないのかというと、ボードゲームや麻雀とか、そのへんは当然のようにルールゲーム。コンピューターゲームも、アクションゲームとかそのへんは間違いなくルールゲームだろう。少し怪しくなってくるのはシミュレーションゲーム、特にウォー・シミュレイションゲームに分類されるもので、基本的な体裁としてはプレイヤーが各軍を操って勝ち負けを競うものだから当然ルールゲームなのかと思いきや、どうもこの世界にはシミュレーションをゲームよりも上と見る思想があるらしく、そういえばプレイヤーが操りきれないほど要素の多い「ビッグゲーム」という分野があるが、これはルールゲームとしてとらえるよりも、プレイヤー参加ができるような世界を創造しようというデザイナーの試みと見たほうがわかりやすい。そのようなゲームはルールゲームとしての体裁を取りながら、デザイナーの意識はルールゲームというより、ゲーム世界を創造するという部分に向いている。

ではシミュレイションゲームの派生物であるRPGはどうなのか?

コンピュータRPGではなくテーブルトップのRPGに限って言えば、答えは単純に、「ルールゲームではない」となる。ルールゲームとそうでないゲームとの違いは、前に書いたように「達成すべき目的があること」、そして「目的達成のためのスキルを競う」要素があることだけれど、スキルを競うことが可能になるためには、客観的な評価基準、少なくともプレイヤー全員が納得できるような評価基準がないといけない。多くのゲームでは、評価基準はルールとして全員に公表されているし、ゲーム途中で勝手にいじくられたりすることもないから、このことが問題とされることはない。これに対して、RPGは構造上、この客観性の確保が極端に難しい。

テーブルトップのRPGが他のゲームとどこが違うかといえば、もちろん第一に来るのはゲームマスターの存在で、ルールブックに書かれたコンセプトおよび汎用ルール群だけではRPGはゲームとして成立しない。コンセプト/ルールを受け取って完全体のゲームを生成するのがゲームマスターの役割なのだが、ここでゲームマスターがつくる完全体のゲームは、ふつうのゲームと異なり、ゲーム開始前に全てができあがっているわけではない。プレイヤーの行動が先にあり、行動が起こされた時点ではじめてゲームマスターによってその行動に関するルールが確定される。

そうではなく、ゲームマスターがシナリオを用意した時点でゲームは完成していて、セッション中のゲームマスターはシナリオの朗読者でしかない、という考え方をすることもできることはできる(ちょっと非現実的だと思うけど)。だけどそれでも、結局プレイヤーにとっては、自分が行動を起こしてみるまで完全なルールは提示されていないという点では全く一緒だ。完全なルールが最初から提示されていない限り、ルールゲームは有り得ない。

別にRPGがルールゲームでないことを咎めている訳ではない、というよりそもそもRPGがルールゲームでないことは欠点でも何でもない。ルールゲーム性とカバー可能な世界の広さとが天秤に掛けられ、ルールゲーム性が不要として切られたというところからゲームマスターシステムがはじまっているのだから、別にその後のRPGのルールが世界観の追究に向かっていったのも単に当然のことでしかない。つまるところ、ルールゲーム性を捨てることでRPGは成功したのだから、ルールゲームとしてのRPGを考えることは無駄なこと...本当にそうなのかな?

Paranoiaは敢えてそのルールゲームとしてのRPGを試みたゲームだ。既存の(といってもParanoiaの初版は1984年発売なんだけれど)RPGを馬鹿にしたいという一念だけで作られているようにも見えるこのゲームは、要素のひとつひとつがいちいち他のRPGと異なった手法で作られていて、その異なった手法というのが大抵の場合ルールゲームの手法を使っているのだけれど、ここでルールゲームとしての成立を考えるときに最も重要になっているのが、キャラクターの目的とその達成手段。

キャラクタの目的(*)は、他のキャラクタに罪をかぶせて自分だけ生き延びること。そう、RPGはルールゲーム性を切ったためにプレイヤーの対立も不要なものとして追放されたが、Paranoiaでは、プレイヤーの対立は殆どのルールゲームと同じく必須要素だ。そのために必要なスキルは? 言い訳の巧さとゲームマスターのご機嫌伺いだ!

(*)必ずしもプレイヤーの目的ではない。ルールゲームにおいて勝利を目指すことが実は目的ではなく参加条件である、っていうのと全く一緒。但しparanoiaではルールゲームと違って(そして他のRPGと同じく)、場合によってはプレイヤーの目的のためにキャラクタの目的を放棄しても構わない。ここはルールゲームとしてparanoiaを見たときに一番のネックになる部分なんだけど、でもこれが無いとparanoiaってゲームがそもそも成立しない。扱いがとても厄介な部分。

もちろんこれは、キャラクターにとらせる行動自体よりもゲームマスターの気分のほうが結果の善し悪しに関わってくるという、ゲームマスターによるゲーム生成のシステムに対する揶揄なのだけれど、同時にゲームマスター・システムとルールゲームとを共存させるという問題への一つの妥協解にもなっている。つまり、ルールゲームにおいてはゲームマスターがプレイヤーの「ゲーム世界への」理解度を試すという方法を取るのは不可能なので(なにせ理解も何も提示さえされていないのだから)、Paranoiaではマスターがプレイヤーの「現実世界への」理解度を試すようにしたというわけ。言い訳もご機嫌伺いも、外の世界で散々やってるはずだよね、知らないとは言わせないよ、と。

他に応用の利かせようがないこのやりかたは正当的な解とはとても言えないが、それでも他のやはりルールゲームをめざしたRPGが大概出来損ないのボードゲームにしかなっていないことを考えれば、確かに他の何者でもないRPGでありながら競技的でもあるという希有なゲーム体験を得ることができるこのゲームの価値は非常に高い。

大体さあ、ゲーム内世界の理解度を試そうってんで単語帳みたいな量の世界観設定を持ち出してくるRPGとか、いい加減もう厭なんですよ僕は。気が付けば店中見渡してもそんなゲームばっかになっちゃって、あんなん誰がやりたがるんだか。歴史学者とか?



p.s.

Paranoiaのもう一つの美点に、マスタリングの容易さが挙げられる。これはゲームがプレイヤー間の対立によって展開されていくため、ゲームマスターにゲーム展開を行う負荷が殆どかからないというのが理由だが、プレイヤー間の対立を可能にしているのはルールゲーム性であることは言うまでもない(キャラクター間の対立ならばルールゲーム性は別に要らない)。

実録メールオーダー#2 : PlayMe.de 編

2001年9月の記事。今見返してみると結構酷い対応受けてるなあ。


私は待ち焦がれています。板の間の隅で。何日でも。


メールオーダー第一回を済ませ、アメリカのメールオーダー事情についてはまあだいたい把握したようなしてないような気分になったのですが。じゃあ本国ドイツはどうなのよということに興味が出てきて折角なのでやってみましょうと話が転がり始めます。僕ドイツ語できないのに。

注文を行うには注文対象となる物品というかゲームが必要になります。この時点で主客転倒が発生していますがともかく今回注文の品として指定したのは

・ Bausack (K.Zoch / Zoch, 1988)
・ Bali (U.Rosenberg / Kosmos, 2001)
・ Gnadenlos! (K.Teuber / Kosmos, 2001)

の三品。それでは早速オンラインゲームショップ巡りを始めましょう。なお今回起点として用いたのはドイツ系ゲームサイトの総本山 Spielbox-Online ( URL はサイト集参照のこと)のリンク集、そしてドイツ語できない僕らの味方である自動翻訳サービスとして Altavista(powered by systran) を使用しました。 Altavista 翻訳の URL は 2001 年 8 月現在で http://world.altavista.com/ となっております。

巡ったサイトは確か

AllGames4You
サイトの見栄えがどうも素人的過ぎて気にくわないのでパス

ADAM spielt
有名だし The Game Gallery (サイト集参照)御用達だしで最初ここにしようと思ってたんだけど強烈なナビゲーションの不可解さに断念。カタログ販売専門と割り切るべきかも

MyToys.de
ごめんなさい場違いでした。総合玩具店。そりゃボードゲームも売ってはいるんだろうけども

Spielbar
このサイトって絶対廃墟になってると思う。管理されてる気配がない。オフラインの店のほうはちゃんと運営されてるのを Essen で確認したんだけど

CoSim.de
あららシミュレーション系の店でしたか。どうも失礼しました

Das Spiel
いくらなんでも品揃えが少なすぎ。そういう方針なのか。それとも僕が全品カタログ見つけられなかっただけなのか。それはそれで相当に問題だが

spielnet.de
分かり易くて大変好感の持てるサイトだったんだが残念ながら今回の品物に関しては値が高かった。別に全般的に高いというわけではないはず。

PlayMe.de (http://www.playme.de)
結局ここにしたのは Bausack が安かったからー。あとナビゲーションもまあ酷くはない。でも良くはない。どちらかというと悪い。

といったところだったと思います。 Spielbox-Online のリンク集にはもっと大量のサイトが紹介されているのですが回ってるうちにだんだん面倒になってきて、もう PlayMe.de でいいやとくじけてしまいました。というわけで今回は実録 PlayMe.de でございます。

まずはゲームの探し方から。表紙を抜けた先のトップページに検索窓がついてますがこれを信用してはいけません。ここの検索機能はかなり怪しいっつうか使えないです。大人しくカタログ Katalog から選びましょう。カタログはメーカーごとの仕分けになっていますので、どのメーカーから出ているかちゃんと押さえておかないとろくに買い物もできない素敵な仕掛けになっております。まあ日本人のくせにわざわざドイツのサイトで買い物をしたいとか思う人なら欲しいゲームのメーカー名くらい当然知ってるような気もしますけど。

メーカーを選ぶとそのメーカーの製品が一頁に十個ずつ出てきます。次の頁を見たいときは weiter 、前の頁を見たいときは zurueck をクリック。で欲しいゲームが見つかったらタイトルをクリックするとそのゲームの紹介頁が出てきますので、カートに入れたければ In den Warenkorb をクリックすればカートにつっこめます(既にカートに入れてる品物の紹介頁で Aus dem Warenkorb をクリックすると、カートから品物がはずれます)。カートに突っ込んだらカートの中身が出てきますので、まだ買い物をしたいならブラウザの戻るボタンなり、フレーム左側の Katalog ボタンなりで戻ってください。カートの中身はいつでもフレーム左側の Warenkorb ボタンで確認できます。

カートの中身を精算したくなったら、 カート中身表示画面で Ich moechte bestellen, ohne mich anzumelden をクリック(赤三角がついてる他のやつも精算用リンクなんですが、まあ気にしなくていいです)。そうすると個人情報入力欄が出てきます。 *) マークのついてる欄だけ正確に埋めましょう。名前とメールアドレス、それに "Strasse" "PLZ" "Olt" にそれぞれ番地、市区町村、都道府県 +"JAPAN" といった感じで。一番下の Steuergebiet には、ヨーロッパに住んでない人としては Andere を選択。 Zahlungsmethode は支払方法で、クレジットカード決済なら Direkte Kreditkarteneingabe を、先払いで行いたければ Nachnahme を選ぶのですが、どうせ後で eMail でそのへんの確認がくるはずなので適当でもいいのかもしれません。

でもって情報を入れて bestellen をクリックすると、最終確認が出ますので、もういちど bestellen を押せば無事あとに引けない状況が産み出されるわけです。おめでとうございます。なお、画面に出てる送料は我々ニポン在住者にとっては常に嘘なので気にしないでください。ほんとの送料はあとでメールにより通達されます。

さて無事完了いたしますと直ちにこんな感じの確認メールが届きます(多少修正してます)。


Subject: Neuer Auftrag
Date: Sun, 5 Aug 2001 11:15:21 GMT
From: info@playme.de

PlayMe, Bismarckring 7, 65183 Wiesbaden

Taiju Sawada

(番地)
(郵便番号)(市区名), Tokyo, Japan

Auftragsbest舩igung

Sehr geehrte Damen und Herren,

gem葹 Ihrer Bestellung best舩igen wir Ihnen folgenden Auftrag:

Auftrags-Nr. Kunden-Nr.
010805-**** ****

Pos Artikel Beschreibung Anz Preis

1 KO080 BALI 1 DM 24,96
2 ZO001 BAUSACK 1 DM 49,96
3 KM079 GNADENLOS! 1 DM 24,96

Transportkosten DM 8,19

  • -

Gesamt DM 108,07
inkl. Mwst DM 0,00

Vielen Dank f� Ihren Auftrag.
Mit freundlichen Gr�en
PlayMe Der Spieleversand im Internet

繰り返しますがこの送料 Transportkosten DM8.19 は完全にデタラメなので本気にしてはいけません。あとでこれに追加していくら送料がくるのかメールで来ますので。

そいでもってこのあとで(当日です)来たメールがこちら。


Subject: PlayMe-Order
Date: Sun, 5 Aug 2001 13:43:05 +0200
From: ************@t-online.de (Dr. Kay Rehders)
Reply-To: "Dr. Kay Rehders"

Dear Sir,

yes, we can send the games you ordered.

But we need a
 credit card number

and you have to pay additional to
the amount in the bill the
 real postage.

Please answer if you want
the games within 7 days.

Kind regards
Kay Rehders /PlayMe-Team

かなり怪しい部分があるような気もしますがともかく英語を解してはくれるようです。ありがたやありがたや。そしてメールの中身は要するに、二つのうち一つの支払方法を選んでメールで伝えたし、ということです。その二つとはつまり、「クレジット」か「現金直接送付」。ここで、「現金?」とクエスチョンマークがついてしまう人がいらっしゃるかと思いますが、これについてはあとで説明します。

なんで説明できるかというと当然僕がこっちの「現金直接送付」を選んだからで、以下のようなメール(要するに「現金で払いますので送料込みでいくらかかるか教えれ」という内容)を返信したんですが、


Subject: Re: PlayMe-Order
Date: Sun, 05 Aug 2001 21:33:46 +0900
To: "Dr. Kay Rehders"

Hello Dr. Kay Rehders,

This is Sawada (Order No. 010805-****).

I'd like to pay the bill by real postage.
Please tell me the total cost that I should send.

Thank you.
(署名省略:以下全て)

返事が来ない。待てど暮らせどこない。仕方ないのでもう一度二度と送ってみるがやっぱり来ない。挙げ句の果てに返事が来たと思ったら


Subject: www.PlayMe.de -Order
Date: Fri, 10 Aug 2001 21:39:56 +0200
Reply-To: "Dr. Kay Rehders"
To:

Dear Mr. Sawada,

I am still waiting for your
answer, how you want to pay
your order.

Kind regards
Kay Rehders /PlayMe-Team

あーやっぱり届いてなかったのねー、と。この時点で送信側と受信側と中継のどれに問題があるかわからなかったので、いろいろと可能性を検討したんですが、最終的には「受信側に問題有り」という結論に達しました。しょうがないので、ウェブサイトの方に連絡用として記されていたほうのメールアドレスに接触を取ってみようとしたのが下記。


Subject: about my order...
Date: Sat, 11 Aug 2001 22:49:16 +0900 (JST)
To: info@playme.de

Dear Gentlemen,

I have ordered games(Auftrags-Nr.010805-**** Kunden-Nr.****),
and I have been asked about the way of payment from Dr. Kay Rehders.
I sent the answer 3 times, but the eMails seem to be lost because
of some trouble.
So I am writing this eMail to you.

The following is my answer.

I'd like to pay the bill by real postage.
Please tell me the total cost that I should send.

Please forward this answer to Dr. Kay Rehders.

Thank you.

要するに「僕はこういう者でそちらに支払方法を聞かれたのでメールを送ったのだがどうやら届いていないらしい。こっちのほうのアドレスにも同等の内容のメールをこの通り出したので取り次いではくれまいか」つうことです。送り先アドレスにご注目を。

これに対しては返事が来ました。よかったね。こっちが上のメール書いて六日も経ってからだけど。また届かなかったのかと心配していましたですよ。


Subject: Re: about my order...
Date: Fri, 17 Aug 2001 18:21:38 +0200
From: "Dr. K. Rehders"

Dear Sir,
we can send a parcel, the postage
is DM 68.50.
But you must pay in advance,
because we can not make
the payment by real postage.

If you do not want to pay
by creditcard, ypu can
send US $ 85.-- in a
registered letter...

Kind regards
Kay Rehders /PlayMe-Team

ともかく。送料は DM68.50 だそうです(このときのレートはおよそ DM1=60YEN )。前のデタラメ送料にプラス DM68.50 なので実際の送料は DM68.50 + DM8.19 = DM76.69 となるわけです。これが船便なのか航空便なのか書いてないのであまり高い安いを言ってもしょうがないとは思いますがでもたぶん安くはないと思います。

そしてここでお金の送り方がでてきます。「クレジットカードがいやなら、 registered letter を使って US$85 を送ってくれても構わないよ」と。メールオーダー第一回のときは国際送金為替だったんですが今回はどうやら違う方法を指定してきているようです。そしてドイツへの送金のはずなのになぜかアメリカドルを指定してきています( US$85 という額は、このときのレートで物品代 DM108.07 と 送料 DM68.50 の和にほぼ等しい額です)。これはいったい何故なのでしょう。

別に勿体ぶる必要もないので結論を。 registered letter というのは要するに書留のことなんですが、特にここでは「保険付き書状」のことを指します。ちょっとここでオフィシャルゆうびんホームページ (http://www.post.yusei.go.jp) から取ってきた「国際郵便条件表」というものから引用を(表記をだいぶ改竄してますので是非上記 URL から原文をご覧下さい)。


各国共通の条件
郵便法に基づく郵便規制品及び差出禁止品
貴重品等:封かんした封筒に入れた書留書状及び保険付書状以外の郵便物は、硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工してない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品を包有することが出来ない。

つまり現金を封筒に突っ込んで外国に送りたい場合、封筒を「書状書留」または「保険付書状」扱いにすればいいというかしないといけないということがわかります。続いてこれ。


名あて国・地域別の条件
ドイツ
送達条件(通常郵便物)
・保険付書状……取り扱う。
・貴重品を包有した書留書状……取り扱わない。
禁制品(その他の理由によるもの):条件付許容物品
・貴重品…硬貨、銀行券、紙幣、各種の持参人払有価証券、旅行小切手、加工した又は加工していない白金、金又は銀、珠玉、宝石その他の貴重品(保険付としたものを除く。)

ということで、ドイツに送りたいというのであれば、「書状書留」扱いはダメで、「保険付書状」扱いでないといけません。そして最後、なぜドイツなのにドルで送るのかという疑問への答えがこちら。


名あて国・地域別の条件
ドイツ
禁制品(公安上の理由によるもの):条件付許容物品
・紙…紙質が名あて国の銀行券又は公債に使用されているものと同一の若しくは酷似する紙は、名あて国の関係当局 (Ministre federal des finances 又は Administration de la dette publique) の許可を得ている場合に限り許される。

名あて国というのはこの場合ドイツのことですから、ドイツマルクだのユーロだのは当局の許可なしに送ってはいけませんよ(ドルとかなら別にいいですよ)、ということになります。

というような理由で、現金を封筒に突っ込んで送るには「保険付書状扱いで」「ユーロとかドイツマルクとか以外の通貨で」送らないといけないのでした。逆に言えばこの二点を満たしていれば、現金を直に送っても全く構わないのですね。僕も誤解してましたしあちこちのサイトで誤解してる人もいっぱいいるみたいですし郵便局員でさえ支局の人間だと割と誤解してる人も多い(保険付書状は現時点では本局でしか取り扱っていません)のですが「海外に現金を直にそして合法的に送付する方法は存在しない、小切手とか送金為替を使わないといけない」というのはご覧の通り、少なくとも相手先がドイツである場合に関しては全くの誤りです。もちろん小切手や送金為替と違って金銭を送った証拠が残らないので、向こう側が「封筒届いたけどお金入ってなかったし」とか言ってきたらそれで終わりとなってしまうため通販用途としては正直よろしくない方法ではあります。

でも、もう、なんか、やり直すの面倒だし。


Subject: Re: about my order...
Date: Sun, 19 Aug 2001 01:14:22 +0900
To: "Dr. K. Rehders"

Hello Dr. K. Rehders,

This is Sawada (Auftrags-Nr.010805-**** Kunden-Nr.****).

:If you do not want to pay
:by creditcard, ypu can
:send US $ 85.-- in a
:registered letter...

Then I send US$85 in AIR-REGISTERED letter to
"PlayMe.de" Bismarckring 7 65183 Wiesbaden, Germany.

Thank you.

上記は僕の送った「じゃあ書留(くどいようですが今回の場合は正確には保険付書状)で $85 送るんで」メール。下記がこれに対する返答(これはレスポンス早かった)。


Subject: Re: about my order...
Date: Sun, 19 Aug 2001 20:59:34 +0200
From: "Dr. K. Rehders"

Dear Mr. Sawada,

we will send the parcel
immedeately after your
letter has arrives.
May I ask for special stamps?
Kind regards
Kay Rehders /PlayMe-Team

えー、要約するのも馬鹿馬鹿しいのですが、「封筒に使う切手は記念切手にしてくれない?」だそうです。そうですか。どうせ切手は買うんだから別にいいけど。

これで条件全部揃ったのでモノを集めに行きます。封筒(エアメール封筒。 15 枚 105 円。一枚 7 円換算)とアメリカドル(両替の最低単位が $100 なのはどういうことだ第一勧銀)と記念切手(書状代 110 円 + 保険料 460 円で合計 570 円。記念切手はサイズが大きいので封筒の一面が全部切手になって宛名が書けない。しょうがないので半分くらいは通常切手で)。それで宛名書いて( Dr.K.Rehders / PlayMe.de / あと三行目以降は住所)、本局まで行って保険付き書状ですって言って局員に突き出すのです。中身何ですか、って聞かれますが堂々と現金ですって答えましょう。合法ですから。

というわけでこっちからのラストメール。中身は「送りました」とだけ。


Subject: Re: about my order...
Date: Mon, 20 Aug 2001 18:33:42 +0900
To: "Dr. K. Rehders"

Dear Dr. K. Rehders,

This is Sawada (Auftrags-Nr.010805-2522 Kunden-Nr.2866).
Today I posted the air-registered letter with US$85.

: May I ask for special stamps?

Ok, I stamped 9 stamps, and the 3 of 9 are "Phila Nippon '01" special
stamps. ;-)
(Special stamps are too big, so I could stamp only 3 of 9. The rest 6
are "new year 2000" stamps.)

Regards,

で、このメールに対する向こうからの返事は無かったんですが、二週間ほど経過した九月四日、現物の入った小包が送られてきました。経過日数から考えると航空便ですね。航空便なら送料 DM77 も止むなしと言えましょう。

さあ終わった終わった荷物開けるぞー、ってんで開けまして、んでキャラメル包装破いて、外箱開けて、シートからタイルをぷちぷち切り離している最中にふと気がついた。

これ注文したゲームと違う。

なぜ外箱見た段階で気づかなかったのかという疑問は非常に強く残るのですが、ええと注文していたのが "Bali" というゲームで実際に届いたのが "Eden" というゲームでですね、この二つは同じメーカー同じ年に同じコンセプトで出した一連のゲームのうちの二つでして、つまり外箱の大きさとか箱絵のレイアウトとか一緒でしてだからその。言い訳はともかく気づかなかったものは仕方ない。前向きな姿勢でクレームを付けてみることに決定。


Subject: I'm in trouble
Date: Wed, 05 Sep 2001 20:40:13 +0900
To: "Dr. K. Rehders"

Dear Dr. K. Rehders,

This is Sawada (Auftrags-Nr.010805-2522 Kunden-Nr.2866).

I have received the packet. But in this packet, BALI is not there.

The games in this packet are:
Gnadenlos!
Bausack
Eden(!?)

I afraid that you packed Eden instead of Bali by mistake.

Hmm...
What should I do?

Regards,

要約としては、「 "BALI" 頼んだはずなのに何故か "EDEN" が入っていたのですがどうしましょう」ということです。でもって送信して数時間後、素早く返答が帰ってきました(基本的にはどのメール返信もレスポンスタイム短めで来てますんで、返信に六日かかった一通は多分どっかでトラブルが起きていたのでしょう)。


Subject: Re: I'm in trouble
Date: Wed, 5 Sep 2001 15:01:43 +0200
From: "Dr. K. Rehders"

Dear Mr. Sawada,

because it was our mistake, we have to
send the right game....
You can keep the game "EDEN" for
US $ 12.-- only. Or you send it back
as a small parcel the cheapest way and
I will sent you the postage needed,
when I send "BALI"...

Sorry to cause problems
Kind regards
Kay Rehders /PlayMe-Team

「申し訳ない。 Eden を送り返して貰えれば送料は負担するし、 Eden を買い取ってくれるなら(送料無しの) $12 だけ送ってくれればいい」というメールですねこれは。でもって僕がどうしたかですが、先ほど書いたように第一勧銀が両替単位最低 $100 とか抜かしたおかげで手元に $15 ほど余っていまして、じゃあ買い取るかということになりました。ところで Eden って面白いのかな。ルール読む限りではあまり焦点がはっきりしてない気もするですが。まあいいや。


Subject: Re: I'm in trouble
Date: Wed, 05 Sep 2001 23:14:40 +0900
To: "Dr. K. Rehders"

Dear Dr.K.Rehders,

: You can keep the game "EDEN" for
: US $ 12.-- only. Or you send it back

Thank you for your quick reply.
Then I send US$12.

Regards,

こういう感じで、じゃあ Eden 引き取るよ、と。んで再び郵便局に行くわけです。そして送金。送金から三週間。未だ荷物到着せず。…船便で出しやがりましたか?

とそういう事情により、現在わたくしは荷物の到着を板の間の隅に座って待っているのでございます。状況に変化があったら(つまり荷物が届くか届かないかしたら)追記を書く予定。ではまた。


追記(Oct29/2001):本日午後、当該小包到着いたしました。到着まで二ヶ月弱、ということはやはり船便でしょうなあ。損傷とかは別に有りませんでした。開けてみたら "Zaubercocktail"(EdenやBaliと同じ外箱のゲーム) でした、という落ちもつかず。


追記(Dec29/2002): 以下の文章にはメールオーダー時に遭遇したいろんなトラブルが書かれているのですが、この文章を見た輸入商(で言葉あってるかな? ドイツを主とした欧州製品を日本に売る店)のElke Piepenbringさんという人から、

「ドイツの店が全部こんな雑な商売をやってると思ってもらっちゃ困る(要約)」

という熱いメールを頂きました。ちなみにこの方のやってるショップは http://www.mytaste.de というところだそうです。

で、上のサイトの商品リストにはボードゲームは無いんですけど、「あんな店にやらせるくらいならウチで扱うからメールでオーダーを出してくれ」とのことです(メールアドレスは contact@mytaste.de )。

サイトを見れば解るとおり日本語メール可なので、「ドイツでしか売ってないゲームがあってそれが欲しいんだけど英語やドイツ語でメール書くなんて面倒臭くてやってらんねえや」という方にとっては有効な選択肢となるのではないでしょうか。


さらに追記(Jun8/2003): 下の(Dec29/2002の)追記で紹介したmytaste.deですが、「たまねぎ須永」様(「TRPG蛇行道!」)より使用レポートを頂きました。ありがとうございます。

「たまねぎ須永」様によるmytaste.de使用レポート
 やはり約10年前のゲームのせいか、業者さんは発見できずにドイツのeBayのオークションで代理購入してもらう結果になりました。たぶん、店頭でさがしてなかったので、ネットで検索したのでしょう。
 推測ですが、問屋にあたってはいないような気がします。理由としては、注文数1つで取引できるほどの問屋とのつきあいがない、ボードゲーム流通の問屋と取引実績がない、などが考えられます。
 商品本体が50ユーロ、ショップ手数料が本体の10%、送料、関税、消費税その他で85ユーロ(約12000円)という結果に。
 今回は運良くオークションに出品されていたので、手に入りましたが、古い ボードゲームはここで入手は難しいようです。
 お値段も通常価格に10%手数料がかかるようなので、安く買うにはお勧めで きない感じでした。そのかわり、2週間前後(今回は決済してから8日)という 早さで到着する利点はあります。
 あと、VISAかEURO CARD決済しかできないところも、難点といえば難点かもし れませんね。
結論としては、対応しているクレジットカードを持っていて、多少割高でも2 週間前後というスピードで(海外取引では早い?)購入したければお勧めと。現 地の店頭に置いてありそうな商品なら購入成功率上昇でしょう。

実録メールオーダー#1 : Boulder Games 編

1999年10月ころの記事の再録。今ではBoulderもメールオーダー止めてショッピングカートに移行しましたが。
でもサイトの手作り感はあんま変わってないすね。


インターネット通販というのがあります。で、それをつかってゲームを買おうという話になりますと、なんといってもインターネットというのは国籍の壁=言語の壁、その他の壁は無し、みたいなところがなんとなくあるような感があるようなないようなというところですから、見て回る通販サイトにしたって日本のものだけではありません。するとほら、今円高ですから(西暦 1999 年十月現在、 $1=\106.50 くらい)、無駄に競争が進んだアメリカ通販ウエブサイトの価格表とか見てると、ふと悲しい気持ちになって空を仰いでみたりという気分にもなるのですよ。

しかしまあ考えてみれば悲しい気持ちになることもないんで、安いとこから買えばよいのですね。ということでレッツ海外つーはん! ってんで、海外通販サイトの使い方情報が載ってる『海外RPGを読もう!』(馬場秀和ライブラリ収録)を読みつつさあ買おうといろんなサイトを巡ってみたところ、実は一番安い値段が付いてた "Boulder Games" はメールオーダー制でして。購入フォームにちょちょっと買いたいモノの題名いれてサブミットいっぱーつ、ってわけにはいかんらしく。仕方ないのでお店側と悪戦苦闘のメール大会。以下実録。英語の文法間違いスペルミスその他そのまま収録。ではどうぞ。



Date: Sun, 26 Sep 1999 23:52:18 +0900
To: BoulderG@aol.com
Subject: May I ask you a question?

  • -

Dear Gentlemen,

My name is Sawada Taiju. I am living in Tokyo, Japan.
I want to buy the followings, as presented in your
"BOULDER GAMES PRICE LIST":

THE AVALON HILL GAME COMPANY - Kremlin ... $20.00
ADLUNG SPIEL - Verraeter ... $7.50
DORIS & FRANK - Igel Argern ... $17.80
RIO GRANDE GAMES - El Grande ... $25.40 (XL)
TILSIT EDITIONS - Africa 1880 ... $42.00 (XL)

but I can't understand how much the TOTAL cost (game
itself and shipping cost, and so on - if any) is, and
even I don't know how to send you money. (by mail directly?)

Please teach me (eMail: tsw@yahoo.co.jp ). Thank you very much.

Yours truly,


つまり買いたかったのは、


THE AVALON HILL GAME COMPANY - Kremlin ... $20.00
ADLUNG SPIEL - Verraeter ... $7.50
DORIS & FRANK - Igel Argern ... $17.80
RIO GRANDE GAMES - El Grande ... $25.40 (XL)
TILSIT EDITIONS - Africa 1880 ... $42.00 (XL)
の五つで。左から出版社名、ゲームの名前、お値段、(大きさ)となっております。

で、素早く返ってきた返答が以下の通り。



Date: Mon, 27 Sep 1999 10:31:20 EDT
Subject: Re: May I ask you a question?

  • -

hi sawada,

thank you for sending the e-mail. since we charge whatever it cost us to send
the package to you plus $3, we have to pack and weigh the package first. igel
argern is out of stock. will have shipping send you a total cost later this
week. you can pay by visa or mastercard or by international money order.

thx,
jim

ほんとはこの "thx, jim" の後に、この店のカタログがだーっとついてくるのですが、必要ないので省略しました。とにかくここで得られた具体的情報は、 igel Argern が品切れだということだけ、後は続報をまて、ということでした。

なお international money order というのは、国際郵便為替のことです。郵便局に行けばパンフレットもありますし、局員に聞けば詳細な説明が得られます。

一日経過、続報が送られてきます。 Boulder Games のメール対応の素早さは素晴らしいと思います。



Date: Tue, 28 Sep 1999 11:56:39 EDT
Subject: Boulder Games order

  • -

Hi Sawada,

The cost would be 52.90 (for the games...sorry, we are out of Africa 1880) +
18.32 surface shipping, or 32.40 for air shipping, + 1.60 insurance + 3.00
handling + 3% credit card charge if you use a Visa or Mastercard. If you
don't use a Visa or Mastercard you can send an International Money Order.

If you want to use a Visa or Mastercard you can send the number in two parts
by email...several hours apart. If you have any other questions we'll be
happy to answer them. Thanks very much.

Sincerely,
Sharon (shipper)
Boulder Games

ここで全ての具体的情報が揃います。 Africa 1880 も品切れだって。なんか品切れが多いなあ。ともかくこれをみてオーダーかキャンセルか、あるいはオーダーにしてもどういう形にするか決めろということですね。もちろん、ここで「これはいるけどあれは取りやめ、代わりにそれ追加」とかすると、一からやり直しです。
選択としては、
・オーダー/キャンセル/品物変更
・(オーダーするとして)船便/航空便
・(オーダーするとして)クレジットカード/国際郵便為替
ということになります。
クレジットカードか国際郵便為替か、ということですが、今回はなんのためらいもなく国際郵便為替にしました。僕クレジットカード持ってないし。

 ただし、クレジットカードを持っているひとにとってはこの点、やや悩ましい部分を含んでいます。手数料そのものは、今回の一万円弱程度の買い物ならクレジットのほうがずっと安い(後で具体的数値を出すのでそれで計算すれば解りますが、五万円程度で互角、それ以上だったら国際郵便為替のほうが得です)のですが、ご存じの通りクレジットカードの決済は、買ったその日から一ヶ月遅れくらいで行われます。その間に当然為替レートの変動が起きます。例えば $80- の買い物をクレジットでしたとして、オーダーを出した日のレートが $1=\100 だから八千円の買い物だ、と思っていたとしても、クレジット決済が行われるころには $1=\110 に変わっていて八千八百円のお買い物、ああ八百円はどこへ消えたのかということにもなります。もちろん逆に得をすることもあり、つまるところクレジット決済というのは多少ギャンブリングな性格を、特にオーダーを出した日が円高ピークっぽい日の場合は、持ち合わせているわけです。国際郵便為替は早い話、郵便局でドル買ってそれを店に郵便で送りつけてそれをもってオーダーとするってやりかたですから、オーダーしたその日のレートで計算ができます。確実な方法です。ところで僕は八百円程度の話で何で熱くなっているのでしょう。
 (あと、クレジットってのは後払いですから、向こうから文句がくるタイプのトラブルが降ってくるかもしれない、というリスクもありますね)

運送の話に移りましょう。この店は運送会社として UPS という会社を使っています。 Boulder Games には詳しい説明はありませんが、同じ UPS を使っている "Funagain.com" という店が出している説明によれば、 UPS で船便を使った場合、発送から到着までの期間は、アメリカから日本への場合 6-8 週間だとのことです。とりあえず差額 $14.08- が惜しかったので(この程度の金を惜しむのでなければ、日本でも訳付きで手に入る El Grande をわざわざ輸入したりしませんって)、船便ということにしました。 今回の Boulder Games からのメールでは選択肢に挙げられていませんでしたが、どうも航空便には Global Priority という方法もあるらしいです。これはどうやら、重さを考慮せず、体積(つまり商品を詰める入れ物のサイズ)だけで送料を決める、あと到着の保証は基本的になし、というサービスらしく、たとえば本を買ったりするのなら安くて速くてお買い得なんだそうです。ゲームショップの中では、 "Uncle Jed's Game Shed." がこの方法を標準としているようです。

ま、何にせよ、オーダーしようということになりました。


Date: Thu, 30 Sep 1999 17:24:55 +0900
Subject: I order them (Re: Boulder Games order)

  • -

Dear Gentlemen,

I order the followings:

Kremlin
Verraeter
El grande

shipping: by SURFACE

my address is:

TOKYO-to ***(市区名)*** ***(町名及び番地)***
JAPAN
postal-code: ***(郵便番号七桁)***

I've sent the money order ($75.82-) today. Probably, you can
get the postal money order in 1-2 week(s).

Thank you.

Yours truly,


オーダー宣言。言うまでもなく市区名町名番地郵便番号、全て半角英数で書いています。ゲーム本体の値段が $52.9- 、送料が船便( by SURFACE と力強く宣言しています)なので $18.92- 。あと保証代金が $1.60- に詰め込み段ボール代金その他が $3.00- 、国際郵便為替を使うのでクレジットカード手数料はかからず合計 $75.82- となりました。

こいつを郵便局に払いにいくわけです。別に大きい郵便局でなくても、そのへんの郵便局でも扱っています。方式は、金と免許証(に類するもの。ようは本人証明)をもって郵便局に行き、局員に所定の書類をもらって説明を受けて、受取人住所と送金人住所と金額を書いて渡し、あとは書いた金額を払っておしまいです。

ここで注意。たとえばアメリカに送るならドル、とかいろいろ国ごとにどの通貨を送れるかというのは決まっているのですが、だからといってアメリカに金を送るからドルを持っていこう、とかやってはいけません。ドルを送るといっても、郵便局に払うお金はあくまで日本円なんです。つまり日本円を払うと、郵便局がそれを(郵便局独自の換算レートに従って)ドルに替え、それで送りつける、とそういう形になっています。ドルで払わせろ、とか言っても拒絶されます。実際ドルを持っていったところ拒絶されたので間違いありません。換算レートはごく普通ではありますが、手数料を千円も取るんだから、もうちょっとこっち側に甘いレートでもいいんじゃないの? という気も。 そうそう手数料は千円なんですが、送り先がアメリカの場合に限り、五百円+送料という選択もあります。送料というのはつまり、自分で為替を封筒に入れて、切手を貼って送ると。とはいえ、航空書簡の値段は九十円、さらに書留料が四百十円かかりますから、結局五百円+九十円+四百十円で、かかる値段は一緒、自分でやる手間だけ増えてろくなことがありません。大人しく郵便局に千円払って全部お任せしましょう。

in 1-2 week(s) と書いていますが、向こうにつくまでの時間はこんなもんです。ただヨーロッパに送る場合、一週間ジャストくらいでつく国もあるとのこと。もっと速く着いてほしいなら、そういう有料オプションもあります。

下は返答。


Date: Thu, 30 Sep 1999 10:06:34 EDT
Subject: Re: I order them (Re: Boulder Games order)

  • -

Hi Sawada,

Thank you very much for the order. We will wait for your International Money
Order and then ship the games right away.

Sincerely,
Sharon


で、十一日くらいで為替が届いたようです。


Date: Mon, 11 Oct 1999 14:23:45 EDT
Subject: Boulder Games order

  • -

Hi Sawada,

Thank you very much for the money order. Can you please email the address
where we should ship the package? As soon as we get it we will ship right
away! (:

Sincerely,
Sharon

ってオーダーの時に住所書いたやん。見てなかったか。それとも住所として認識されてなかったのか。まあいいや。きっとそういうマニュアルがあるんだろう。ということで住所送り直し。


Date: Tue, 12 Oct 1999 07:47:47 +0900
Subject: Re: Boulder Games order

  • -

Dear Gentlemen,

My address is:

Name: Sawada
Street: ********(町名と番地)*********
City: ****(市区名)****
province: TOKYO-to
Postal code: ***(郵便番号七桁)****
country: JAPAN

Thank you.

yours truly,


さあ最後のコール。


Date: Tue, 12 Oct 1999 09:20:40 EDT
Subject: Re: Boulder Games order

  • -

Hi Sawada,

Thanks very much for the address. Your package will ship today.

Best Regards,
Sharon


ということで、ここから 6-8 週間の待ちに入るわけです。無事に届いたら、届いたよメール出してめでたしめでたし。届かなかったらトラブル対応がいろいろあって面白いことになってくるのですが。

結局、ちょうど七週間で到着しました。特にトラブルなし。ありがたいことです。品物の状態の方は、ボードゲーム二品は全く問題なし、カードゲームの Verraeter は少し箱が傷んでいましたが、これは運搬が悪いというより、どちらかといったらメーカーの責任のような気がします。自信を持って言うわけではありませんが。ところで届いたよメールを出したんですが、別に返答は無かったので、これは特に必要ではないみたい。


注(Apr/17/2000)
文中の「国際郵便為替」ですが、この名称で郵便局に言ったところ、「はぁ?」って顔をされました。正しくは「国際送金為替」だそうです。こっちの調べでは国際郵便為替だったはずなんだけどなー。まあいいです。国際送金為替ということで。あと身分証ですが、本人証明として以外に「住所証明」としても使用するとのことなので、学生証とかで住所の記載がないものがありますが、そういうものは証明証として使えないと局員の人が言ってました。

移行準備

Excite Blog (toccobushi.exblog.jp) が本当にいいかげん嫌になってきている昨今、そういえばHatenaにアカウントを作ってたことを思い出したので、こっちに移行したいなー、と。
ついでなのでtripod/infoseek (toccobushi.at.infoseek.co.jp) のほうの内容も全部こっちに移してしまいたい。