2022-03-05から1日間の記事一覧

アリストテレス『詩学』第五章(松浦嘉一訳) ※書きかけ

■■ 第五章 ■■ 喜劇は、前に述べた如く、普通の人よりより悪しき人人を模倣したものである。が、それは、決して、あらゆる悪に関してより悪しくあると言ふのではなく、只ある一つの特殊な悪に関してのみ言ふのである。即ち、笑ふべきものに関してのみ言ふので…

アリストテレス『詩学』第四章(松浦嘉一訳) ※書きかけ

■■ 第四章 ■■ 大体から言つて、ある二つの原因が詩を生み、その何れの原因も人間の性情から流れてゐるやうである。〔*1第一の原因は人間の模倣性である。〕何とならば模倣するといふことは、人間にとりては、子供の時分から本然に備つてゐる。さうして、人間…

アリストテレス『詩学』第三章(松浦嘉一訳)

■■ 第三章 ■■ これらの芸術に於ける第三の差別は、対象の各々が模倣される形式から生れる。模倣の同じ媒材と同じ対象とが与へられても、詩人はある時は叙述体に、ある時は、その人物になり切つて物語ることが出来る。ホメロスの如きはそれである。或は詩人は…

アリストテレス『詩学』第二章(松浦嘉一訳)

■■ 第二章 ■■ 模倣者〔芸術家〕は、行動する人間を模倣するのであつて見れば、当然、これらの行動する人間は、善き人人か、乃至は、悪しき人人でなければならない。何とならば、人間の多様なる性格は、殆んど常に、この善悪二つの何れかに由来するからである…

アリストテレス『詩学』第一章(松浦嘉一訳)

詩学アリストテレス松浦 嘉一 訳(岩波文庫 1949年刊) 【Ingram Bywater (1840-1914) による英訳『Aristotle, On the art of poetry』(英Oxford: Clarendon Press 1909年刊) を底本としている。原著、英訳書ともパブリックドメイン。邦訳は邦訳者松浦嘉一 (…